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こたつの歴史

こたつは、今や冬に欠かせない暖房器具の一つです。寒い季節には体を暖めてくれて、一度入るとなかなか出られなくなってしまいますよね。昔は家族団らんのイメージだったこたつも、時代とともにそのスタイルは徐々に進化しています。
今回は、こたつの歴史についてご紹介します。こたつ開きの日や、進化した現代のこたつについても解説するのでぜひ参考にしてみてください。

こたつの起源

こたつの起源は室町時代からと言われていますが、当時は現代のようなテーブルに熱源のついたものではなく、囲炉裏をもとに作られていました。囲炉裏は現代でも古民家や旅館などで良く見られますが、寒い時期に周りを囲んで暖まったり、調理する際に用いられるもので、灰の中で薪や炭などを燃やして使います。
室町時代から江戸時代にかけては、囲炉裏の上に台を置いたり、天板部分が格子のようになったやぐらを置き、衣服や布団を重ねて使用していました。
その後、床より下に熱源を設える、現代の掘りごたつとも言われる「切りごたつ」や可動式のこたつが誕生するなど、時代とともにこたつのスタイルも変化していきます。大正時代になると現代のような電気こたつが誕生し、戦後徐々に普及し始めます。

こたつ開きの日とは?

昔は、「亥の月の亥の日」がこたつを開きの日として認識されていました。毎年干支が変わるように、かつては月や日にちにも干支が振られていたため、縁起の良い亥の月(旧歴10月)の亥の日にこたつを出し始めていたと言われています。
亥の月の亥の日とは、現代でいうと大体11月頃。雪国などの寒い地方ではちょうど肌寒くなる季節なので、こたつを出すタイミングとして参考にしてみると良いでしょう。

こたつの進化(現代のこたつについて)

戦後、電気こたつが普及するようになってから現代に至るまで、こたつのスタイルは時代とともにどんどん変化しています。昔は木炭などを熱源としていましたが、電気こたつの場合、一般的に使われる石英管ヒーターや性能の高いハロゲンヒーターなど、ヒーター構造の種類も増えています。
また、天板が四角くローテーブルタイプのものは昔から一番ポピュラーな形ですが、近年では、生活スタイルに合わせたものやデザイン性にこだわったものも多く、さまざまな種類のこたつを選べるようになってきました。
なかでもパーソナルこたつは一人用のデスク感覚で使え、テレワークが普及した現代ならではのこたつと言えるでしょう。また、コンパクトな省スペースこたつや円型こたつはお部屋の邪魔にならず、狭い場所や少人数での使用にも適しています。
かつては、こたつ=家族団欒で囲むものというイメージが強かったですが、近年では単身者でも気軽に使えるものや、よりコンパクト感に優れたものが増えています。
しかし、昔ながらの掘りごたつもまだ廃れていません。使用人数や住環境に合わせて、ぴったりのこたつを取り入れると良いでしょう。既存の形から進化した現代のこたつについて紹介します。

スクエア型こたつ

こたつと言えば、四角いテーブルと天板、みんなで座って使用するロータイプのものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
昔から親しまれているお馴染みの形で、一人暮らしからファミリータイプまで使う場所を選ばないのも魅力的です。コンパクトな正方形や余裕のある長方形など、四角といっても形はさまざま。一人でちょっと暖まりたい時、家族みんなで団らんしたい時など、使う目的に合わせた形を選ぶと良いでしょう。
また、一番ポピュラーな形であることから合わせるこたつ布団の種類も多く、幅広いデザインを楽しむことが可能。お部屋の雰囲気に合わせたコーディネートが楽しめます。

円型こたつ

四角タイプのこたつと違い、テーブルや天板、こたつ布団が円型になっているのが円型こたつ。円型特有のコンパクトでころんとしたフォルムが可愛らしく、角がないのでさまざまなインテリアに合わせやすいのが特徴的。みんなで丸くなって使えるので、子どもがいる家庭にはもちろん、一人暮らしなどで友達を呼ぶ際にも活躍します。
少人数で使うならこじんまりとした円型が良いですし、大人数には楕円形タイプもあります。こたつテーブルはオールシーズン使用する方が多いですが、円型テーブルの場合は、布団を外してちゃぶ台のような感覚で使えます。
また、こたつ布団はテーブルと同じ円型の布団を選ぶのが一般的ですが、敷布団は円型でも正方形型でも合わせられるため、お部屋の雰囲気に合わせた組み合わせを楽しめるのもというメリットもあります。

パーソナルこたつ

パーソナルこたつとは、一人で使えるように設計されたこたつのこと。デスクで作業をしながら下半身を温められるので、作業中足元が冷えやすい方にぴったり。ブランケットや電気毛布などがいらなくなるので、冬場のデスクワークを快適にしてくれます。
こたつ台の高さ調節ができるタイプなら、用途に合わせて2通りの使い方ができます。ハイタイプの場合は、毎日のテレワークやパソコン作業、受験勉強などに活躍しますし、一般的なこたつのようにテーブル感覚で使いたい時はロータイプにするのがおすすめ。また、パーソナルこたつ用の毛布は角部分がジャバラになっているものが多く、イスを使用しても熱を逃しにくいというメリットがあります。

省スペース型こたつ

省スペース型こたつとは、こたつ布団の角部分にスリットを入れたりジャバラにすることで、よりコンパクトに使えるこたつのことです。
こたつ布団は厚手でどうしても角部分が横へ広がりやすく、お部屋のスペースをとってしまいますが、省スペース型こたつの場合は広がらないように加工してあるため、無駄にかさばることがありません。
お部屋の場所をとらないため、狭いお部屋や一人暮らし用のワンルームのお部屋で使う場合などに活躍します。一般的なタイプに比べて布団がめくりやすく、掃除がしやすかったり薄手で扱いやすいという特徴があります。

掘りごたつ

掘りごたつと聞くと昔使われていたこたつのような古臭いイメージをするかもしれませんが、近年ではおしゃれな居酒屋などにも使用されていたり、掘りごたつを導入する家も少なくありません。
掘りごたつのメリットは、座りながら使えるところ。一般的なこたつだと、ついつい変な姿勢で座ってしまったり、座りっぱなしで足がしびれてしまうこともありますが、掘りごたつの場合はイスに座るような感覚で使うことが可能です。
布団を取り外せばオールシーズン使えるので、ダイニングシーンから和室まで幅広い場所で活躍します。リフォームで作る方法もありますし、掘りごたつユニットを使って小上がりを作ることも可能。子どもからお年寄りまで、幅広い年齢層に使いやすいこたつとして人気です。

まとめ

こたつの歴史について詳しくご紹介しました。こたつは室町時代の囲炉裏に台や布団を重ねたスタイルから始まり、時代に合わせて徐々に進化を遂げてきました。
電気のない時代でも、昔の人がさまざまな知恵を絞って作り上げたことで現代のこたつ文化へとつながっています。外から帰ってきた時、こたつの中に体を入れると暖かくてホッとしますよね。ライフスタイルに合わせてこたつはどんどん進化しており、ファミリー向けだけでなく一人暮らしにぴったりのコンパクトタイプ、作業に適したパーソナルタイプなどさまざまな種類を選ぶことができます。
部屋が狭くて置く場所がない…こたつ毛布がかさばるのが嫌…そんな理由でこたつを使っていない方も、ぜひ参考にしてみてください。お気に入りのこたつを見つけて寒い冬を乗り越えましょう。

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